季節の『花物語』
<日本人と花>TOP
バックナンバー
タケ・ササ
ススキ
ユリ
ウメ
リンドウ
フヨウ・スイフヨウ
季節の花の一覧表
ススキ(芒・薄・茅・萱)

「幽霊の正体みたり枯れ尾花」
   よく耳にするこの川柳の「尾花」とはススキのこと。
   花穂が動物の尾に似ているところから来ている。

万葉集で、山上憶良が選んだ「秋の七草」のひとつでもある。        

     はぎ    おばな  くずばな  なでしこ
  「の花 尾花 葛花  撫子の花
                    おみなえし        ふじばかま   あさがお
           女郎花    また藤袴   朝顔の花 」

この、万葉集には「ススキ・オバナ・カヤ」の3種の名で詠まれたススキの歌が46(45首との説)ある。
「ススキ」とはスクスク育つ木の意味で、日本全土の山野に生育、大変強靭で成長も早い。
                                                                                        奈良飛鳥 10月初旬
花言葉も「勢力」「活力」となっている。               
 

風に乗って飛んできた種はほんのわずかな土でも見つけて住み着く。
我が家(大阪市内)のベランダの鉢の中に花穂を見つけた時は驚いた。前に植えてあった植物はどうやら追い出されたようで、今年も又咲いている


 
 「カヤ」とは『刈り取って屋根をふく→刈屋根』『萱葺き屋根』の言葉のとおり、古くから身近な植物として利用されてきた。

一方、江戸時代から受け継がれてきた素朴な玩具、ふっくりとした「ススキミミズク」というものがある。これは、ススキの穂でつくられたものだ。東京、豊島区雑司が谷、鬼子母神境内にある都内最古の駄菓子屋、川口屋の店頭に今もならんでいる。かつてこのあたりに生えていたススキで子供を楽しませたものなのだろう。


 秋の全国的なイベント「お月見」に、なくてはならないススキ。
「お月見」は、中国の風習(里芋の収穫祭説がある)が日本に伝わったといわれているが、日本各地それぞれの地域でいろいろにアレンジされている。
仲秋の名月と一升瓶に挿したススキ、月見団子(中国では月餅)や里芋・さつまいも、なすび・きゅうりなどで作った動物の飾りもの等々、思い浮かべただけで子供達の笑顔が浮かんでくる。ちなみに、供える月見団子の数は12個うるう年は13個だそうだ。

 さらに、日本独自だが、もうひとつのお月見がある。
「十五夜」とその一ヶ月後の「十三夜」、すなわち旧815日と旧913日。
"
片方だけしか見ない片月見は良くない”などという地域もあるようだが、
難しいことは抜きにして楽しいことは多い方がよい。その時々の収穫を感謝して、お供え物を変える。
前を「芋名月」、後を「栗名月」「豆名月」など
とも呼んでいる。この二つのお月見の間中、ススキの見ごろは続き、満月の光りの中、縁側に映える。
   

      
     
☆ソニ高原のカメラマン             ☆11月上旬のソニ高原

一見地味にみえるススキも、奈良県東端に位置する曽爾(ソニ)高原のその頃は、なだらかな亀山の斜面一帯、見渡す限り銀世界で壮観。夕日・朝日に映え、刻々と色合いを変えつつ風になびく姿には、誰しも立ち尽くす。
同様に飛鳥の地や葛城山頂でも楽しめる。


910月頃、ススキに寄り添う「思い草」を探してみよう。
ススキの足元をそっとかき分けて・・・高さ20p前後、うつむき加減に咲く淡紫紅色のパイプ型の花、別名「ナンバンギセル」がそれ。ススキに思いを寄せる花としてご紹介したい。もっとも最近は少なくなってしまったようで、なかなか見つけることはできない。

一方、花市場ではいろんなススキが出回る。
葉の模様により、横縞のものは「タカノハススキ(鷹ノ羽ススキ)」又は「ヤバネススキ(矢羽ススキ)」、縦縞の「シマススキ」、模様が無く細葉の「イトススキ」等。

尚、河原や水辺等、湿地に生えるススキに似たものは「オギ()」といい、別のものである。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
*今年
( 2006)の「十五夜」は、106日()
                「十三夜」は、
113()です。

*イネ科 ススキ属 多年草
*原産/日本・朝鮮半島・中国
*生育地/日本全土
*英名 ユーラリア(Eulalia

 
このページの先頭に戻る 季節の「花物語」のトップページに戻る